ベリーダンスは中東およびアラブ圏でイスラム教が普及する前に発展したダンスでアラビア語でラクス(ラァス)シャルキ(シャルイ)と呼ばれおり、主にエジプト、トルコ、アラブ全域で踊られています。かつてオスマン・トルコ帝国がアラブ民族を支配した14〜17世紀にはハレムの女性たちが王様の為に踊られたという宴が活発に行われ、ハレムの文化と共に踊りが発展していきました。また、その様子は絵画にも多く描かれ残されています。
やがてエジプトは19世紀以降にイギリスの支配を受けることになり、その影響でショービジネスの世界が発展してきました。そして1952年にエジプトは独立し、舞踊の世界もさらなる発展を遂げていきます。
マハムード・レダはそれまでのエジプト各地の素朴な民族舞踊を舞台芸術の域に高め、世界的な公演およびTVや映画などに沢山の作品を世に送り、エジプトの文化、芸術方面で多大なる功績を残しました。今でもオリエンタル・ダンスの父と呼ばれこの踊りに携わる世界中のダンサーから絶大なる支持を得ております。(誠に残念で悲しいのですが数年前に彼は逝去されました)
余談ですが私はレダに生前、お会いする機会が持てました。今思えば大変貴重な機会だと思います。まだ小松芳アラビア舞踊団に所属していた頃、小松先生率いる舞踊団のイントラ、ショーメンバー数名がエジプトのベリーダンス・フェスティバルにて出演することになり、私もその中におりました。レダの「アタバ・ガザーズ」をチームで踊ったのですがその監修をなんとレダ本人に、彼のスタジオでして頂けたのでした。2度目は日本で開かれたWSにて。その時はレダ舞踊団の超一級・元プリンシパルのファリーダ・ファフミも一緒でした。あのフィルムの中の姫が!眼の前に!と大変興奮してやまなかったのを今でも鮮明に覚えています。この話はまた別の機会にでも・・・。
現在では毎年、世界各国でさかんにベリーダンス・フェスティバルが開かれ沢山の参加者が集い、時代とともに数々のスターダンサーも生まれています。
ベリーダンスは女性をとても美しく豊かにみせる踊りです。少しの勇気を持ってこの世界に足を一歩踏み出せば、踊る喜びと共に生きる喜びがきっと見いだせるでしょう。